相続税が課税される生命保険金等の金額
被相続人の死亡により支払われた生命保険金等のうち、次の算式により計算した部分の金額については、その生命保険金等の受取人がその金額を被相続人から相続または遺贈により取得したものとみなされます。
ここで、その生命保険金等の受取人が相続人であるときは、その相続または遺贈により取得したものとみなされた金額のうち相続人が受け取った金額については、次の（１）または（２）の場合に応じて、それぞれに定める部分の金額までは、相続税が課税されず、相続税の非課税財産となります。
生命保険金等に係る相続税の非課税金額の計算方法
（１）全ての相続人の取得した生命保険金等の合計額が生命保険金等の非課税限度額※以下である場合
全ての相続人の取得した生命保険金等の合計額が、相続税の非課税財産となります。
※生命保険金等の非課税限度額は、次の算式によって計算した金額です。
500万円×法定相続人の数
なお、法定相続人の数については、「相続人（法定相続人）と相続順位、法定相続分」をご覧下さい。
（２）全ての相続人の取得した生命保険金等の合計額が生命保険金等の非課税限度額を超える場合
生命保険金等の非課税限度額が全ての相続人にとっての相続税の非課税財産となり、個々の相続人にとって非課税となる部分の金額は、次の算式によって按分計算します。
生命保険金を年金形式で受け取る場合
生命保険金を年金（定期金）形式で受け取る場合においては、相続税の課税対象となる金額は、次の（１）～（３）の区分に応じて、それぞれに定める通りに計算されます。
（１） 有期定期金
次の①～③のうち、いずれか多い金額
①相続開始時点における解約返戻金の額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、その一時金の額
③次の算式により計算した金額
なお、年金残存期間については1年未満の期間を切上げて計算し、複利年金現価率については国税庁の公表する「複利表」に掲げられている値を用います。
（２） 無期定期金
次の①～③のうち、いずれか多い金額
①相続開始時点における解約返戻金の額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、その一時金の額
③次の算式により計算した金額
年金給付額の１年当たり平均額 ÷ 予定利率
ただ、このような権利は現実的には存在しないと思われます。
（３） 終身定期金
次の①～③のうち、いずれか多い金額
①相続開始時点における解約返戻金の額
②定期金に代え一時金の給付を受けられるときは、その一時金の額
③次の算式により計算した金額
※余命年数は、年金受給権を取得した年の１月１日現在の完全生命表として厚生労働省により公表されている資料に基づき判定し、複利年金現価率については国税庁の公表する「複利表」に掲げられている値を用います。