固定資産税評価額と相続税評価額の違い
固定資産評価額とは
固定資産税評価額とは、固定資産税を賦課するための基準となる評価額で、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された額を都道府県知事または市町村長が決定した価格であり、固定資産課税台帳に登録されたものをいいます。
固定資産税は、毎年1月1日を賦課期日として土地、家屋または償却資産の所有者に対して課されるものであり、それぞれの価格については、役所に備え付けられている固定資産課税台帳で確認することができます。
なお、土地・家屋に係る固定資産税課税上の価格については、原則として3年に1度改定が行われます。
相続税評価額とは
相続税評価額とは、相続税・贈与税を計算するときの基準となる評価額であり、納税者が自ら算定する必要のあるものです。
その算定に当たっては、特別の定めのあるものを除くほか、相続・遺贈・贈与によって取得した財産をその財産の取得の時における時価により、その財産の価額から控除すべき債務の金額をその時の現況により評価することとされています(相続税法第22条)。
「時価」と課税の公平性について
「時価」と一口に言っても、土地に関して言えば、その指標として実勢価格、公示地価や基準地価など様々なものがあり、納税者が相続税・贈与税の計算に当たって「時価」を算定することは必ずしも容易ではなく、納税者によって「時価」がまちまちとなってしまっては、課税の公平性を保つことができません。
そこで、相続税・贈与税の計算に当たっての「時価」については、課税時期(相続・遺贈・贈与により財産を取得した日または相続・遺贈・贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額とされ、その価額は、具体的には国税庁の公表する財産評価基本通達の定めによって評価した価額によることとされています(財産評価基本通達第1項(2))。
財産評価基本通達では、評価の簡便性・安定性の観点から、例えば土地の倍率方式による評価や家屋の評価に当たって固定資産税評価額を用いる旨が定められているように、相続税評価額の算定に当たって固定資産税評価額に依拠する取扱いが定められており、この点において固定資産税評価額と相続税評価額の間には密接な関わりがあると言えます。